ひとりで歩くのにいい靴を知りませんか

ずっと、ひとりが好きだと思ってきた。
もちろん周りに人がいてくれて、その上に成り立つとても贅沢な「ひとり」だけれど。

でも最近、ひとりを楽しむ難易度がなんだか少し上がってしまった。
理由はいろいろある。特に今年はみんなが外へ外へ流れていく気流が勢いを増し、
それに乗って自分も、周りも、大きく変わった。

でもそれ以上に、社会人2年目ともなるともうひとりでいること、
言い換えれば経済的に自立することが贅沢な選択肢ではなくて、
スタンダードになってきたことが個人的には大きい。

言い換えれば今までは、ひとりで旅行に行ったり、食事に行ったりして
自分のためにお金と時間を使っていれば、それがある程度「自愛」になった。

でももう、段々そんな気分じゃなくなってきている。
もちろんそういう時間も嫌いじゃないけど、新しい景色もはっとする美味しさも、
せっかく身銭を切るなら出来れば誰かと分かち合いたい。


息を抜かなくたって、今はやりたい仕事に挑戦させてもらえる環境があり、
心身ともに、1年前kikusukuの船に乗り込んだ時からは想像できないほど余裕が生まれた。

そんな中で、ひとり立ちをせず恵まれた関係性の実家に居続ける自分が
本当に狡いことをしているような気がして、どこか惨めな気持ちというか、
その中で偉そうに「ひとりの時間を楽しむ」って、なんだか......。
いや、普通に今の収入を考えて踏ん切りがつかないというだけの理由なのだけれど。

仮に同じ状況の人を目にしたら、そんなことは全く思わないはずなのに
自分にだけは過剰に鞭を打ってしまうところ、本当に悪い癖だ。

大学生の頃、実家との関係で一方的に煮詰まっていた時は
お金の工面が付かなくても「出ていく!!!」という一心で、
結局お金で頓挫するギリギリのところまで本当にリサーチを進めていたのに、
今はもっと消極的に「出て行かなきゃ......」という気持ちになっている。

何なんだこれは、新手の思春期か?

今までは時間とちょっとの出費、
そして誰かからの「すごいね」があればすぐ軽やかさを取り戻した足元が、
気が付けば今までと随分違う形の靴を履いていて、
少し歩き方も変わってしまったような。

そう思うと、今は靴擦れみたいな時期なのかもしれない。
となれば靴を変えるか、どこかに身を横たえて休むか、良い絆創膏を見つけてくるか。
あとは今まで避けてきたけど、誰かを呼び止めて肩を借りるとか。

よろめきながらでもこの1年で進んできた道程に時折励まされながら、
また1から歩き出す術を探す、そんな冬の入り口にいま私は立っている。


鹿の子

かのこと言います。最近は夢中になって人の写真を撮っています。音楽やチョコミントアイスが好きな人、ぼーっとしてるとなんか考え事をしちゃう人は気が合うかもしれません。そうでない方とも、仲良くなれたらとても嬉しいです。よろしくお願いします。

-new post-

gallery
『くしゃみのふつうの大冒険』#06New!!
コラム
「創作」にまつわる10曲【kikusuku秋のプレイリスト】New!!
gallery
『くしゃみのふつうの大冒険』#05
column
11/3の日記
column
2024年11月3日の日記
column
2024/11/3

Follow me!!

↓この記事をシェア↓

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


上の計算式の答えを入力してください