没頭。遮断。あるいは陶酔。
魚交です。
こないだイヤホンのなんか柔らかい奴がどっか行って、仕方なくサイズの合わない
別のなんか柔らかい奴を使おうとしたら、一日でどっか行きました。
次の日街まで出て、某家電量販店でまったく同じイヤホンを買いました。買い直すのは2回目です。
1回目に買い直した時も、なんか柔らかい奴がどっか行ったからでした。
多分彼らには足がついていて、乱雑に扱われる日々に嫌気が差して
「こんなとこ出て行ってやる!」って旅に出たんだと思います。彼らの行く先に幸あれ。
それはさておき、僕はもうイヤホン、ひいては音楽なしでは生きられなくなりました。
歩いている時は常に再生リストシャッフル。気分に合えばそのまま。合わなければ右矢印連打。
二次元三次元問わず好きなものを詰め込んで、総再生時間は1200時間を超えました。
雑な聴き方をしている自覚はありますが、それくらい僕の中に溶け込んでしまった音楽は、
もう僕の一部と呼んで差し支えないでしょう。これで僕もミリオンヒッターです。
1200という際限の中で溢れだす音に没頭し、
耳朶を打つメロディを盾に外界を遮断し、
妄想を重ね合わせて陶酔に浸る。
気づけば右手の親指と人差し指がギターピックを持つような形になってしまうのは、
きっと音楽に浸りすぎてエアギターの技術だけが進歩してしまったからでしょう。
実際は指がかっぱえびせんばりに短いのでFコードで確実に挫折します。無常。
極論、僕にとって「落ち着く時」というのは、
限界まで内側に閉じこもって、自分と何かひとつくらいしか存在しなくなった時なのかもしれません。
そういうことをしていると、賑やかな場所に放り出された時何をすればいいのかわからなくなって、
それでもその喧騒はどこか心地よくてなんとなく受け取ってみるけれど、
すぐにまた内側が恋しくなって没頭と遮断と陶酔を繰り返す。
そうやって生きてきたので、そうやって生きていきます。
多分。きっと。メイビー。
魚交