ほしにねがいを
魚交です。
お久しぶりです。
お待たせ。
(字余り・字足らず・季語なし)
俳句の「は」の字も掠っていない挨拶で始まりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
僕は元気です。最近バイトを始めて労働の大変さを再確認しました。
7月のテーマは「七夕」だそうです。ちなみに僕の願いは「不労所得欲しい」なんですが、
こんなかわいげのない願いも、織姫と彦星は叶えてくれたりするんでしょうか。
それとも、もっと大きく無垢で純粋な、それこそ星のように煌めいた願いを聞き届けるのでしょうか。
「夢を見ること」が「現実を見ていない」こととイコールで結ばれてしまったのは、
きっと僕が高校に入学してすぐくらいのことでした。
それまでは作文だの絵日記だの書道だの、ありとあらゆる方法で夢を語らせてきた大人たちが、
ある一線を越えると口を揃えて「現実を見ろ」とささやいてくる。
「お前らあんなに夢見せたじゃねぇかよ」、「笑顔で応援してくれたじゃんかよ」みたいな
反抗をする間もなく、「それが通過儀礼なんだ」と飲み込んでしまった僕が言うことではないですが、
それは少しばかり酷な仕打ちだったと思います。
それは今この瞬間もどこかで起こっていて、
またひとつ夢や願いが消えているかもしれない。消されているかもしれない。
でもさぁ、いいじゃん。夢見るくらいタダなんだから。
「あれがデネブ、アルタイル、ベガ」なんて指させはしないし、覚えて空を見ることはないけれど、
わずか100km頭上には星々が広がっているなら、人間の悩みなんて些末なこと。
そんな楽観と開き直りと自己陶酔のおかげで、僕は今ここにいます。
破れかぶれの夢を引きずったまま。
だから織姫様、彦星様。
「不労所得ください。出来ればたくさん」なんてふざけた願い、叶えてもらえたりしませんかね。
魚交