”成人”ってなんだろう?20代4人による座談会・前編【特集:成人の日に寄せて~vol.3】
新成人の皆さん、ご成人、おめでとうございます!
kikusukuでは【成人の日に寄せて】と題し、数回に渡り特集をお送りしています。特集の内容はこちら!
1月の特集:成人の日に寄せて
vol.1「成人式/同窓会、行った?行ってない?」
vol.2「成人を迎えたあなたへ」
vol.3「座談会~”大人”と”子ども”ってなんだろう~」
and more……
「座談会~”大人”と”子ども”ってなんだろう~」では、数回に渡って座談会の内容をお届け!20代前半と、成人を迎えて数年が経った4人による、等身大の座談会です。【前編】となる今回は「”成人“ってなんだろう」と題したトークをお送りします。
《座談会メンバー》
岐阜県出身。現在大学院1年生。
新卒、入社1年目。映像制作会社に勤務。
kikusukuではギャラリー作品(絵・ことば)を中心に更新!
社会学を勉強中。(※座談会には途中参加)
成人式、行った?
ひなた:さて、テーマが成人式ということなんだけど、kikusuku内で取ったアンケート(14人が回答)では、行った人6人、オンライン開催が1人、行かなかった/行けなかった人7人と、丁度半々くらいの感じだね。これが平均より多いのか少ないのかはわかんないけど。
マモル:そうなんだ。俺はそもそも「成人式って何だ?」って感じで。今回調べてみたら、今住んでるところで式典はやってたらしいんだけど、俺は引っ越してきて数年って感じだから馴染みがなくて。
ひなた:そっか。”地元”みたいなものがあるかどうかにもよるんだね。例えば、地元の小学校に通っていて、同級生たちと久しぶりに再会できるとかだったら行くかもしれないけど、知り合いが近所にいなかったらわざわざ行かないかもね。
マモル:そうだね。成人式関連だと、高校の同窓会には行ったかな。
ひなた:なるほどねー。私はそもそも地元に帰らなかったから、成人式も同窓会も行ってないんだよね。
ポン:私は、振袖の着付けを予約してなくて。あれ、出遅れるとめっちゃ朝早い時間しか空いてなくて、朝早いのメンドくさいなあ~なんて思ってたら当日になっちゃった。「まあ、私行かないんだな」って思いながら家にいたな。
ひなた:そっか(笑)なんか、振袖があるから、女性と男性で成人式に対する感覚がだいぶ違いそうだよね。もちろん男性でも袴を選ぶことはできるんだけども。
ポン:和装への憧れはすごいあったんだけど、結局面倒になっちゃって。大学の卒業式もそうだった。
マモル:袴かー、俺似合わないだろうな~。
ひなた:えー、そうかなあ?
マモル:袴を試着したとしてさ、実際に着てみて「似合わないから行かないです」ってできないよね(笑)
ひなた:それは確かにそうだね(笑)もっと洋服みたいに気軽に試せたらいいのになあ。和装はレンタルする前提の試着だもんね。
マモル:そうそう。振袖とかを着てる人の全員がさ、本当に振袖を着たくて着てるのかな。それとも”そういうもの”だから着てるのか。
ひなた:親とかに晴れ着姿を見せよう、とかはよく言うけどね。
ポン:知り合いの話なんだけど、親から「振袖着たいなら自分でお金払いなね」って言われたらしくって。その子は最初、振袖着たいな~と思ってたけど、自分でその代金を払う程の価値があるのかって考えた末に、ドレスにしたんだって。
ひなた:へ~。振袖、とにかく高いからね。私も、1日のために数万円、下手したらもっと払うのはなあ~って思っちゃう。
ポン:私「大人」が何かはよくわかんないけど、その子にとっては、ちゃんと自分のことは自分で選んで、お金を使って、みたいなのが「大人」の一歩だったのかな。しっかりしてる人がいるもんだなあ、って。
マモル:なるほど。「自立」みたいなね。
「成人の日」って何だろう?
ひなた:そもそもなんで1月に成人の日があるのかなあっていうのは、ずっと思ってた。私3月生まれだから、もし成人式行ったとしても周りがお酒飲んでる中、私とか19歳組はお酒飲めないんだよなあ、って。それにモヤッとしてたのも、成人式に乗り気じゃなかった理由の一つだな。今は18歳成人だからみんな飲めないけど。
ポン:私は、成人の日も、例えば正月とかクリスマスとかも、ただの一日だと思ってたくて。自分の気分にもよるんだけどね。逆張りしたいって気持ちもどこかにあって、結局成人式行かなかったのかも。
マモル:成人式って場で「自分、今まで子どもだったけど、大人になったな」って実感する人はあんまりいない気がする。日本のシステムとして式はあるけど、別にどんなタイミングで「大人になったな」と思ってもいいというか。
あだち:成人式って「通過儀礼」だよね。本来は時間の流れの中で「昨日まで子どもで、今日から大人」って区切りはないはずだけど、あえて人為的に区切りをつけてる。そういう区切り・通過儀礼って世界的にあるし。
ひなた:社会的な区切りというか。
あだち:中世ヨーロッパとかは、子どもと大人の区別はなかったらしいよ。子どもも”ちっちゃい大人” だとして見られてたらしい。だから、「子ども」と「大人」って概念をつくるための区切り・儀式って側面もあるんじゃないかな。
「大人」ってなに?
ポン:20歳成人だった頃は、お酒とかタバコとか、物理的な変化があったけど、18歳は”精神的な成人”って方が強くなるよね。
マモル:たしかにね。統一性というか、基準だよね。「この人は50歳だけどまだ子どもだよ」ってことには絶対ならないから(笑)実際は、18歳を超えても大人じゃない人はいる気がするし、逆に18歳を超えてなくても大人じゃん、って人もいる気がする。
ひなた:「大人」ってなんだろうね。分かんないなあ。
マモル:なんか、個人的な主観だけど、”スーパーファイナル大人”は、相手と対等に、言葉で自分の考えを伝えてコミュニケーション出来る人だと思ってて。逆に、自分の考え・意志を、暴力・恐怖とかで伝える人は子どもだなって。だから、年上でも子どもだなって人はいるし、大人もいるし。俺の中では年齢は重要じゃないんだよね。
ひなた:”スーパーファイナル大人”っていいね(笑)その定義はしっくりくるかも。
あだち:節目節目にある儀式って大事だなとも思うな。儀式があると、気持ちの整理が付きやすいんじゃない?変わることを想う時間。節目って色々考えるタイミングになるよね。「何か始めようかな」とか。
「大人になった」と感じた瞬間はある?
マモル:”スーパーファイナル大人”の基準で言うと、俺はまだ大人になってないと思う。でも「大人だな」って感じたことは何回かあるかも。
ひなた:お、どんな時?
マモル:例えば、15歳になった時に「エクスペンダブルズ」っていう映画を観た時は、大人になっちゃったな~って思った。公開当時は俺11歳ぐらいだったから、映倫の年齢制限で観れなかったんだよね。その時は「うわ、あと4年もかかるのか」と思ってたから、15歳になった時に「許されたんだ」って感じがして。
ひなた:年齢制限は分かりやすいよね。それこそお酒とかもそうだし。
マモル:でもやっぱり「どういう大人になりたいか」って意味では全然まだ大人じゃない気がする。俺は”スーパーファイナル大人”になりたいなあ。究極「話すこと」も表現だと思うから、相手を怒鳴りつけたり、衝動的に手が出ちゃったり、そういう最悪の表現はしたくない。
ポン:ふむふむ。私は”大人”観がちょっと違うなあと思って。話聞いてると”スーパーファイナル大人”は素敵だなと思った。大人には階段があって、その上のところに”スーパーファイナル大人”がいるのかな?なんか私のイメージ的には「大人になっちゃったな」感が強くて。私が好きなバンドが the boys & girls っていうんだけど、バンドのスタンスが、年齢に関係なく、精神的にみんな少年少女っていう感じなの。私の中で大人っていうと、なんとなく、子どもより視野が狭くなったり、ワクワクがそんなになくて、分かり切っちゃってるようなイメージがあって。
あだち:大人になりたくない感覚ね。
ポン:そう。でもかっこいい大人もいるし、そっちの感覚も分かる。どっちかと言うと、大人に対するネガティブイメージの方が強めな気がするなあ。
あだち:「大人になる」っていうと、丸くなるってイメージがめっちゃある。青くて尖ってるのが若者で、ある程度世の中のことを知って、妥協していくような、世間に適応できるようになっていくのが大人だって思ってて。丸くなってくるって、なんか苦しいじゃん。ダサい感じもしちゃうし。でも最近は大人へのネガティブイメージがさほどなくなってきちゃったかもしれない。悪いことじゃないんだなって。これは俺が大人になってきちゃったってことかもしれないけどね。
ひなた:自分で、10代の頃より落ち着いたなって感覚はあるなあ。昔より楽になったと思う。
あだち:あと、色んなものにときめかなくなるって話で言うなら、新しい音楽とかアーティストとかをあんまり探さなくなってきたんだよね。小学生くらいに聴いてた曲をずーっと聴いてる(笑)
ひなた:あー(笑)大人になると、丸くなって色々諦めがつき始めるって話もあれば、逆に、自分の好きなものとか得意なことが分かってくるって話もあるよね。だからこそ自分に合ったものを選びやすくなるのかもしれないね。〈続〉
以上、座談会【前編】でした!あなたは〈成人式〉に、どのような印象を持っていますか?この記事の感想は、ぜひ #きくすく をつけて、SNS等に書き込んでくださいね!次回の記事では、大人と子どもの違いについて、より深掘りしたトークをお届けします。お楽しみに!
kikusuku公式LINE、友だち募集中!
recommends‼
いつでもなにかが満たされていないわたしたちへ。
ライター:マモル
社会人になって、最近、普遍的に人ってこうなんじゃないか?と思うことがあります。
それは「誰しもが今いる自分に満足できていない」ということです。
「誰と」ともに生きるのか
ライター:あだち
特集テーマ:「ともに生きる」
「ともに」って、一体誰を指しているんだろう。
家族や恋人、友人、学校のクラスメイトや職場の同僚、日常の中での人間関係を思い出してみる。日常的な人間関係の中で価値観が合わないと‥‥‥
ニ十歳の想い出
ライター:カジノポン
特集テーマ:成人の日に寄せて
ぼんやりしていたら、成人式が間近になっていた。
私にはおかあも姉ちゃんも着た振袖があったけど‥‥‥