11/3の日記
マモル11/3
おばあちゃんの住む場所。岐阜にきている。仕事や映画の編集があって、自分は行くことが難しいと思っていた。しかし、やっぱり無理してでも行くことにした。前日は朝の6時まで飲み会でそのまま新幹線に乗ったので使い物にならなかったので、今日諸々を片付けないと大変なことになる。岐阜の家では東京と雰囲気が違う。誰も焦らず、誰も急がない。「なるようになる」という空気が漂っている。不思議だ。本当は東京と同じくらいバリバリ岐阜で仕事をしている人もいるはずなのに。僕にとって岐阜は、のどかで平和な場所だった。およそ20年間にわたって、学校や、仕事の合間に通っていたことから、いつしか岐阜が人生の小休止を入れる場所になっていたんだと思う。しかし、今ここにいる僕は仕事ややるべきことがたくさんあって、ちょいちょい社用携帯も鳴るような状態だ。正直東京と状態が変わっていない。すごく不思議な気分で仕事を行う。けれどもいとこに「今回は何の映画を一緒に見てくれるの？」と純粋に聞かれてしまい、すぐに映画を見始めてしまった。10歳歳の離れたいとこは、夢中になって映画を観ている。幼い頃の自分を見ているようで、懐かしい気分になった。10年後は彼も僕みたいに、何かに焦って、追われる身になるのだろうか。夜、仕事が終わらないが、今日はもういいやと勝手に店じまいすることにした。それよりもおばあちゃんとトランプをする方がよっぽど大事だったからだ。おばあちゃんは8月に大きく体調を崩し入院した。医者の見解的に、この年齢で一度大きく体調を崩すと、体調を崩す前には体力が戻らないという。確実におばあちゃんが終わりへ向かっていくことを実感した。だから、僕ら家族はなるべくおばあちゃんが病院を退院するまで岐阜へ帰って様子をみようという話になった。そして11/2おばあちゃんが3ヶ月ぶりに自宅へ戻ることになった。だから僕は無理をして岐阜に来たのだ。そして今、無理をするというか、もはや仕事を放棄してトランプをしている。数をどんどん足していき99を超えたら負ける「99」というトランプのゲーム。足し算を間違え続けるおばあちゃんを観て、再び終わりの匂いを感じる。10年後はどうなのだろうか。僕は、いとこは、おばあちゃんは、どうなるんだろうか。とりあえず次の11/3にもおばあちゃんの話題ができると嬉しいなと思った。
マモルです。作品を見ること、作ることが大好きです。ちょっと気を抜くとすぐに、折り畳み傘に髪の毛がひっこ抜かれてしまいます。気を引き締めて毎日生きてます。生き急ぎ過ぎないように。
