ドラマオタク5人が2023冬ドラマを振り返る！座談会その❸『大病院占拠』『女神の教室』『相棒』『警視庁アウトサイダー』『スタンドUPスタート』『来世ではちゃんとします３』

2023-04-07 2023-04-06

kikusuku編集部

2023年・冬ドラマの放送が終了！ドラマ好きのあなたは、どんなドラマにハマった冬になりましたか？
この座談会では、ドラマオタク5人による「2023冬ドラマ振り返り座談会」をお届け！冬ドラマロスのあなたも、なんとなく冬ドラマをおさらいしておきたいあなたも、5人と一緒に冬ドラマを振り返っていきませんか？

座談会その❶・その❷はこちらからお読みいただけます

座談会最終回となるその❸では『大病院占拠』『女神の教室〜リーガル青春白書〜』『相棒 season21』『警視庁アウトサイダー』『スタンドUPスタート』『来世ではちゃんとします３』についてトーク！最後までお見逃しなく！

　
　《座談会メンバーはこの５名‼》

小学生の頃から、深夜枠のドラマまで一通り情報を把握するのが習慣。未視聴ドラマの録画が永遠に溜まっています。

新ドラマの初回放送日を一気に調べてスケジュール帳に書き込む時の幸せは、何物にも代え難い！基本的にリアタイしたい派なので、生活はドラマの放送時間を軸にまわっています。

昔からテレビっ子でしたが、ドラマ好き具合には年々拍車がかかっています。最近は専らTverで後追い派。涙脆いので、ティッシュ片手にドラマを見ることも少なくないです。

ドラマが生きがい。可能な限りリアタイ派。ドラマが発表されたらまず脚本と演出をチェックします！野木脚本、坂元脚本、大石脚本、特に大好きです！

ドラマに夢中になるあまり、夢の中で物語の続きを観た経験は数知れず。近頃は、放映中のTVドラマの視聴と並行して、過去のドラマを一気見することにハマっています。

エンタメとしての盛り上がり！『大病院占拠』(日テレ/土22:00)

ふか：最初から青鬼がね(笑)

一同：(笑)

ふか：あれは特にファンの人じゃなくても分かっちゃう。顔の造形とか唇の感じとか見ると(笑)。でも、終盤で鬼の仮面を外してから菊池風磨の演技凄いなって思って。表情もだし、最終話で死のうとしたけど確保された時の、あの何とも言えない絶望感は特にすごかったし、刺さった。

菅藤：良かったよね。全力のお芝居が凄かった。ツッコミどころの多いお話だったけど、演じるご本人たちが真正面からお芝居されてるその様に結構心打たれたりして。

こんぶ：うんうん。「これどうなったの」とか「これ２４時間の出来事なわけないだろう」とか、要所要所めちゃくちゃ気になる点はあったよね(笑)。でも展開は面白いし、「それぞれの正義とは何か」っていうメッセージ性も分かりやすかった。

菅藤：日テレの土曜夜で『ボイス 110緊急指令室』の制作チームだったからかな、画面の緊迫感があったよね。 そういう引っ張りもあって最後まで駆け抜けられたな。

こんぶ：結果盛り上がってたよね。「鬼は誰か」も話題になったし、「嘘だろ！？」な展開にツッコむのも楽しかった。全要素引っ括めて、エンタメドラマとして最高だった！

ふか：最後、すごく気になる終わり方だったな。「えっ何！？どういうこと！？」って。エンタメ的だし、考察ドラマだったなという感じでした。

法律とまっすぐ向き合う『女神の教室〜リーガル青春白書〜』(フジ/月21:00)

ひなた：月9は恋愛ドラマじゃない系統が馴染んできたし、それがハマってきたなと思う。

花村：恋愛で人間関係が劇的に変わるわけでもないし、波乱な展開もないし、大どんでん返しもない。それでも毎週見ていたのは、それだけこのドラマから学べるものがあったからだなって思う。法律に関することももちろんそうだし、それ以外でも柊木先生(演：北川景子)が学生たちに話す言葉が心に刺さるというか、少し理想論的なところもあるかもしれないけど、でも生きていく上で忘れたくないなって感じる言葉たちばっかりで。それを毎回楽しみにしてたかな。

ひなた：いい意味でエンタメに寄ってない部分が守られていて、丁寧さを感じて良かった。1回1回取り上げられる法律の描写とか。「法・ルールを守るってどういうことなんだろう」っていう、人を裁く・守ることに真っ向から向き合ってる人たちを描いているまっすぐさがあったよね。だけど重たくなく見れたのは、月9らしさだし、フジっぽさだなと思う。そのバランスはいいなと思いつつ、でもそれほど引きが強いわけではないというか(笑)。1話1話着実に進んでいった印象かな。

菅藤：私も一話一話楽しく見てたけど、それこそ『リバーサルオーケストラ』(※座談会その❶にて話題に！)みたいに、もう一歩、登場人物たちのことが好きになれたり、愛しく思えていたら良かったなとはちょっと思ってて。照井さん(演：南沙良)、もうちょっと早めにデレてくれ〜って(笑)。みんなが同じ方向向いてきたあたりから、見ていて楽しいなと思うようになってきました。

大人の青春ドラマ！『スタンドUPスタート』(フジ/水22:00)

花村：『ユニコーンに乗って』もそうだったけど、スタートアップ・起業っていうテーマ自体が引き続き注目されつつあるのかな。「人の価値とは何か」っていうテーマへの追求が回を追うごとにどんどん強くなってて、それはすごい考えさせられた。正反対の思考を持つ太陽(演：竜星涼)と大海(演：小泉孝太郎)だけど、最後にはそこが組んで最強タッグとして立ち向かうっていうのは熱い展開だった！学園ものやスポーツドラマではなく、企業をテーマにしたドラマでこの熱量まで持っていけるなんて、新しい大人の青春ドラマ感があって好きだったな。

ひなた：まだ1話だけしか見てないんだけど(笑)、いい意味でめっちゃ癖が強いドラマだなって印象があった。話の設定もだし、テンポ感とかカットの回し方とか「おおっ！」ってなったな。下手に水曜日10時のドラマ枠が被ってるから勿体無いよね。

ふか：本当に！被り苦しめられ問題は深刻(笑)

新しいテレ朝ドラマ！『警視庁アウトサイダー』(テレ朝/木21:00)

ひなた：安定感とクセの強さが入り混じった結果、新しいものになってたな。木村ひさしさん演出っぽさ全開で(笑)

菅藤：このドラマの三人組も好きだったな。直央(演：上白石萌音)が本格的に入ってきた2話からがより好きで。中盤で、架川(演：西島秀俊)と蓮見(演：濱田岳)の間で共有してた秘密が直央にバレても大事にならなかったじゃない。この「秘密」の扱いについては『100万回言えばよかった』の方もそうで、魚住さん(演：松山ケンイチ)に幽霊が見えてるのを最終的に上司がしれっと受け入れちゃう、っていうのが本当に好きだった。やろうと思えば「秘密がバレるかバレないか」そのものを物語にすることもできるわけじゃん。でも、そのストレスなくすんなり秘密が共有されちゃう面白さがあって良かったな。「バレるのか、バレないのか」みたいなハラハラ感は問題じゃなく、その先を描くことに重きが置かれるっていう。

花村：題材としては政治が絡んでたり裏社会が絡んでたりするし、さらに言えば結構な人が殺されていたりもするのに、その重さに負けないくらいコメディ要素も多くて(笑)。張り詰めた緊張感から一気に緩くなる瞬間が随所に盛り込まれていたからこそ、こんなにハマって見られたところはあるかも。テレ朝いじりとかもすごい好きだったし、何とも言えないコミカルさが効いた結果、新しい角度からの面白さを持ったドラマだったなと思う。

ひなた：うんうん。テレ朝ドラマと言うと『相棒』とか『科捜研の女』とか、私たちよりは上の世代をメインターゲットにした安定のドラマが多い印象があったんだけど、最近、その良さは生かしつつも新しいもの作って行こうって流れがすごいあるんだろうなと思う。例えば『七人の秘書』とかも新鮮なキャスティングだったし、それこそ前回の座談会（※2022年ドラマ振り返り座談会！【特別編】）で話が出た『未来への10カウント』とかも、まさに「王道×新しさ」だったし。

菅藤：あ〜、確かに。......よし、我々は最近のテレ朝ドラマの変化に注目してるぞってことをここにきっちり記しておこう！今後テレ朝で「王道×新しさ」のスマッシュヒット作が生まれた時に「私たち一番最初から注目してましたもんね〜〜！」って言えるから(笑)

一同：そうしよう！(笑)

アツすぎる初代相棒のカムバック『相棒 season21』(テレ朝/水21:00)

花村：テレ朝の新しい挑戦はめちゃめちゃ期待してるけど、そんな中でシーズン21を迎えた今回の『相棒』はすごい良くて！『相棒』ファンとしては、初代相棒が帰ってきてるって言うのがもう本当に胸アツ展開だった。さらに最終話にかけて、過去の相棒たちとか、以前のレギュラーキャストだった人たちがチラチラ出てきてて。たぶん初代から観てる人は私と同じようにドラマ観ながらキャーキャー言ってただろうな(笑)

ひなた：長年観てる人からしたら一体どれだけのものなんだろうな。これだけ長く続いてるシリーズってないし、だからこその良さが絶対ある。

ふか：そうだよね。昼間の再放送やってるとついつい見ちゃう(笑)。展開も安定して面白いし、絶対的に外さないよね。20年間ずっと面白いって、マジで化け物コンテンツ！

菅藤：脚本家さんが毎回違ったりするよね。今調べてみたけど、前に古沢良太さん(『どうする家康』『リーガル・ハイ』など)とかも書いてたみたい！それだけでもワクワクしちゃう。

ひなた：脚本家さんは交代制でも、やっぱりあれだけキャラクターがしっかりしてるからぶれないのかな。脚本交代制と言えば『舞い上がれ！』ですよね。

一同：あ〜。

こんぶ：脚本家さんによってこんなに色が出るんだなってすごく感じた。

ひなた：うんうん。脚本に合わせてなのか、演出にもだいぶ違いがあったからより変化を感じやすかったとは思う。

人間味、多様性、絶妙なコメディ！『来世ではちゃんとします３』(テレ東/水24:30)

ひなた：『来世ちゃん』は本当に、奇跡のバランスのドラマだと思っていて。まずシーズン３まで続いているのが凄いし、一切クオリティが落ちてないのも凄い。

ふか：人間味があるドラマだよね。あと超個人的には松田くん(演：小関裕太)が沼です。

ひなた：松田くんは本当にやばいよね(笑)。松田くんもだし、出てくる人たちみんな、絶妙に「こういう人現実にいるよな〜」感がある。みんな何かにだらしなかったり、どうしても自制心が効かなかったりするんだけど、観てても不快じゃないの。むしろ愛おしい。一人一人がなんとか生きてて、でも弱かったり、誰かと一緒にいたかったり、よく流されちゃったり、みたいなのが全部本当にリアルで。リアルだけど、今までドラマではあまり描かれてこなかったモヤモヤみたいなものを丁寧に丁寧に汲み取ってくれてるから、観てて胸がもう本当にぎゅーってする！

ふか：『来世ちゃん』の何がいいかって、真に多様性を認めてるドラマだと思う。どんな恋愛をしても良いし、人を好きにならなくてもいいし、恋愛ってどうすればいいんだとかも丸々、全てを包み込んで認めてくれる。けど、コメディタッチでそれを重くしすぎず描いてくれるのがすごく私は好きです！

ひなた：コメディ具合がまた絶妙なんだよね。演者さんたちのバランス感覚凄まじいなと思う。つぶやきシローのナレーションも最高なんだよね！色んなものを中和してくれるような、肩の力が入ってないあの感じ(笑)。

ふか：もう「観てくれ」としか言えない！

ひなた：ほんとに！ぜひ観てほしいシリーズだなあ。多様性を頭で考え込む前に、まずは『来世ちゃん』観て！！！感じて！！！って言いたい！(笑)　〈終〉

☆座談会メンバーによる「2023春ドラマおすすめ」記事も後日公開！お楽しみに！