I scream

言った側からコーンの縁をたどって溶けてくアイスクリーム

わたしの愛も掬って、救って、あいすくりいむ、わたしは叫ぶ

なんとなく手のひらが触れたから、うっかり指を絡めてみる、うっかり愛まで交わしそうになる

肝心な愛を隠して/はぐらかして わたしたちどこまでいくの?わたしたちはおとな

うっかりって言ったらなんとなく許されそう

「幸せでごめん」なんて死んでも言わないで、きみの幸せはせめてもの呪い

わたしと付き合ったら楽しいよ、って言ってみたくて開いた口をおとなしく閉じる

たぶん、いまも、きみを愛しています、わたしからは言ってやらないけれど。見透かされているのが気に食わない

「〇〇なのやめよ」って口癖、どうせ辞める気ないのに言うのやめなよ

どうせ悪い子なんだから、自分との約束なんかはやく破って、わたしとの約束をしてよ

小指の準備はこんなにも出来てる

年に一度の逢瀬すら叶わないことだってある彼らよりは何千倍もマシ、今日も雑踏にきみを見る

自分の輪郭が揺らぐ時、急いで桃を齧って食べた

またね

ミワ

桜田実和

kikusukuライターのミワです。
お芝居と喫茶店が好きな、ハスキーボイスの舞台人。
そこそこのまともさと、たまの異常さを買われて、東のボルゾイという劇団にいます。
岡崎京子さんと吉澤嘉代子さんの描く“特別なおんなの子”になりたい。

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    「大好きな人たちを、大好きなまま、抱きしめていられますように」 到底“寂しさ”からは遠い書き出しかもしれないが、寂しさと愛情はいつだって表裏一体だ。 私が寂しさを自覚したのは一体いつからだろう。 それは物心つく前、思い出すこともできない頃から、きっと私は寂しさを知っていた。
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