部活を辞めた時、卒業を引きずった時、、、納得のいく「卒業」とは?(座談会・後編)
kikusuku3月の特集テーマは「卒業」
座談会【前編】では「大学など学校を卒業して社会に出た後、何かから卒業することはあるのか?」という話題からトーク!
【後編】では、気持ちの面で「卒業」を考えてみたり、辞めることの難しさにまで話が及んだり……。ぜひ、自分の「卒業」を振り返りながらお楽しみください!
座談会参加メンバー(※登場順)
マモル・鹿の子・ひなた・カジノポン・捺稀(ちょこっと参加)
メンバーの詳しい紹介はこちらから
納得のいく「気持ちの卒業」って実はレア?
ひなた:卒業って「期限」というか「時間」だよねって話もあったけど、それとはまた違う「気持ちの卒業」もあるなと思って。卒業式出たから、卒業証書もらったから、とはまた別の。
ポン :うんうん。
ひなた:「ああ、卒業したわ」って思う卒業と、なんかズルズル引きずっちゃう卒業とある気がする。むしろそっちの方(気持ちの面の方)が大きいかも。
鹿の子:確かにね。納得のいく卒業ができるって贅沢なことなのかもしれないよね。意外とないことなのかもしれない。
ひなた:所属先がめちゃくちゃ良いところだったら「別れたくない、離れたくない」って気持ちが強くなりすぎることもあるだろうし、マイナスなことが多い所属先だったとしても、何かネガティブな気持ちが残るかもしれないし。そこがピタッとはまらないといけないもんね。
マモル:ほんとにプラスとマイナスが表裏一体だよね。卒業って、環境が変わる、ある場所から離れるってことは共通してると思うけど。
鹿の子:私、この間自分が退職した時は「卒業」って感じがして。心残りがない形だったから。でも例えば「やりたいことがあったけどなくなく辞める」とか、そういう時は「中退」って感じがするのかもしれないし、自分が「卒業」だと思えたのは幸せだったんだなと思った。
捺稀 :達成感があると「卒業」で、心残りあると「後悔」になるのかもね。
鹿の子:そうだね、結構顕著かも。そこを「あなた満足していいんだよ」って後押ししてくれるのが卒業式・卒業証書だったんだね。それをこれからは自分で作っていかなきゃいけない。
ひなた:やっぱり区切りは必要だよね。「満足していいですよ」って区切りがないと、いつまでも満足できない。
ポン :私、卒業し切れてないことの方が多くて。高校の時、部活選びの時に中学と同じバレー部にしたんだけど、それは「中学でやりきれなかった」って言うのがあったからだったな。たぶん悔しかったんだと思う。試合にはあんまり関心がなかったんだけど、スタメンになれた/なれなかった、とかね。
ひなた:部活もまた特殊だよね。大会とかも一度きりだったりするし。
鹿の子:確かにね。趣味で続けるのとまた違うし。その3年間でやりきれたか、っていうところがあるのかな。
「辞める」難しさ
ひなた:それこそ中退じゃないけど、部活だったり、仕事だったり「辞める」って結構大変だよね。
マモル:あ〜。
ひなた:私、高1の時に一度部活を辞めたんだけど、当時は周りのメンバーにすごく申し訳なくて。本当にごめんね、って色々話したし、途中で投げ出すみたいになるのも嫌だったし。でも今思えば「そこまで思いつめなくても大丈夫だよ、自分!」って。
鹿の子:うんうん。
ひなた:ギュッとしたコミュニティならではのしんどさもあるし、だからこそ深い関係が築けるって良さもあるし。
ポン :私、高校の時、別の高校に行った中学のチームメイトがバレーを辞めるって聞いて、泣きながら電話したことある。「なんで辞めるの〜」って。みんな辞める決断ができるの凄いなあと思ってた。
マモル:実は俺も高校の時、途中で部活辞めてて。本当に辛くて。部活の練習量が増えるから、夏休みとか冬休みより、普段の授業ある期間の方が好きだったくらい。
ひなた:わ〜、それは本当に辛い。
マモル:今思ったのは、辞める時って「次はこういうことがしたい」とか、次の行き場所が決まってる方が辞めやすいなって。「今、ここが嫌だから」じゃなく「これがしたい」とかじゃないと受け入れてもらえない雰囲気というか。
鹿の子:ほんとにそうだよね。
マモル:「ここが不満なんです」って言うと、じゃあそれを直しますってなっちゃう。
鹿の子:私も前の仕事を退職する時「こういう仕事がしたいんです」を鎧のようにまとってたな(笑)。ここではやれないからしょうがないね、って。
マモル:ここではフォローしきれないですね、ってなるもんね。
鹿の子:でも、私と同じタイミングで仕事を辞めた年上の方に「『やりたいこと』を理由にできて羨ましい」みたいなことを言われて。特に若いうちだから「やりたいことをやりたい」と言いやすいのかな。歳を重ねるとキャリアアップって言い方になるかもしれないけど。
マモル:自分が元々いた場所にポジションができてる場合、辞めると確実に迷惑をかけるから、それも難しいよね。
鹿の子:辞めたら辞めたでなんとかなるんだけどね。立て直しには労力がかかるから。
ひなた:そうだね〜。
鹿の子:組織から抜けるって、誰も卒業証書出してくれないから、自分で「カリキュラム達成!」って証明していかなきゃいけない。
マモル:自分でも「本当に卒業なのかな」って疑心暗鬼になっちゃうこともあるよね。会社で言えば、もっと上のポジションを経験しなくて良いのかな、とか。捉えようによっては「逃げ」とか「中退」になっちゃうし。
ひなた:別に逃げたって良いというか、逃げることは悪いことじゃないけど、逃げない方が良い場合というのもあるから、その見極めは本当に難しいよね。私なりに「これは卒業だ」って思えるようなところを常に目指してるのかもしれないなあ。<終>
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