エッセイ
「かたちを持たない私と、」#3

「私は、あなたを知りません!!!」
ふと、必死な叫び声がフラッシュバックした。
「わたしは!あなたを!知りません!」
『……あ、はい。』
何かを訴えようと懸命に同じ言葉を繰り返す彼女の姿も、次第に思い起こされてくる。そうだ、これは数か月前に観た舞台のワンシーン。彼女は「本当のこと」を口に出せない病気(のようなもの)にかかっていて、彼女の目の前にいたのは記憶を失くした主人公だった。……

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エッセイ
ともに生きる__ミワ

人生なかなか上手くいかない。 憧れの先輩から「お芝居続けなよ!」と言われ、とても嬉しかった。 意気揚々とオーディションを受けた数ヶ月。 結果は、連敗。 惨敗だ。 舞台は、芝居は、わたしの人生なのに。 「あんたが別れたかっ […]

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エッセイ
「かたちを持たない私と、」#2

朝、ベッドの上。
ああ、身体が重い。頭も痛い。
スマホのアラームが鳴るのはもう3回目くらいだろうか。
……今日こそは早起きしようと思ったのに。
私は手探りでスマホを見つけ出して、残りのアラームを全てオフにした。

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エッセイ
いつでもなにかが満たされていないわたしたちへ。

マモルです。 わたしは今年大学を卒業し、 映像制作会社で働いている社会人1年生です。 社会人になって、 最近、普遍的に人ってこうなんじゃないか? と思うことがあります。 それは 「誰しもが今いる自分に満足できていない」 […]

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エッセイ
塗り替えていくこと

出会った頃はあんなに良かった気がするのに。 記憶が何度も塗り替わった先でカピカピになってしまって、うまく思い出せない。 どうでもいいことのように思えてきたりもする。 塗り替えられた層の下の下。 あれは確かにあったのか? […]

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