「分からないものは気味が悪い?」神木隆之介×浜辺美波×志尊淳・朝ドラ「らんまん」週刊感想レビュー:第8週

第8週『シロツメクサ』(5月22日~26日放送)

ときめきポイントde振り返る1週間!

なあ〜〜にぃ〜〜〜!開けてくださるんですか!」by 万太郎(演:神木隆之介)
まさかのクールポコさん登場&神木さんだから為せる小ネタに思わずニヤニヤ。

竹雄(演:志尊淳)のボウイ姿がお披露目!!!西洋料理屋のご婦人方の反応がかなり浮き足だっていてキュートでした。本当に体の半分、いや半分以上が足じゃ……!

◆今週の寿恵子(演:浜辺美波)かわいいポイント:万太郎のためにかる焼きを用意して張り紙を出す寿恵子さん。洋装の足元・後ろ姿を見て万太郎と勘違い、声までかけちゃうくらいに「早く来ないかな〜」と思っている寿恵子さん。配達先でお淑やかに振る舞っている寿恵子さん。それでも一人になるとオタクを発揮、万太郎の忘れていったノートを見て馬琴先生を連想しちゃう寿恵子さん。

◆植物学教室にて、疎外感に苦しむ万太郎。神木さんの繊細なお芝居が光ります。竹雄と差配人・りん(演:安藤玉恵)、それぞれの励まし方に愛があってグッときました。

倉木(演:大東駿介)に地理や植生を教えて欲しいと足にしがみついて頼み込む万太郎。子どもたちも混ざって可愛らしかったですね。倉木さん、満更でもなかったのでは?あの後、色々と案内してくれたのでしょうか……想像が膨らみます。

◆画工・野宮(演:亀田佳明)が登場。冷たい人かと思いきや、万太郎が描いた竹雄の絵を見て豪快に吹き出す姿にギャップ萌え!生きていく仕事として描くものと本当に描きたいものが違う、そのやるせなさに胸が苦しくなりました。

◆実業家の高藤(演:伊礼彼方)はじめ、スーツ×イケボのイケオジたちが一気に登場!高藤の薩摩弁に、この時代の波を思い起こしました。鹿鳴館パート、どんな展開が待ち受けているのか……!

◆完全に余談ですが、舞台&ミュージカル好きの筆者、石川禅さん伊礼彼方さん亀田佳明さん宮澤エマさんのご登場に心躍っています!!!

万太郎×波多野(演:前原滉藤丸(演:前原瑞樹)のトリオがかわいい!!!プラス堀井(演:山脇辰哉)の組み合わせも良い!!!いつか四人で雑誌を出せますように!

第8週レビュー 〜分からないからこそ「冒険」は面白い〜

「分からないものは気味悪いよ」(りん)

万太郎は、十徳長屋の差配人・りん竹雄の働く西洋料理屋へ足を運ぶ。すっかり長屋の住民たちと打ち解けた万太郎だが、かの東京大学・植物学教室の面々は簡単に心を開かない。気落ちする万太郎に、りんは真っ直ぐ、あたたかい言葉をかけるのだ。

「分からない」=未知との遭遇。
得体の知れないもの、その全貌を把握できないものに、人は恐怖を感じることがある。

りんの言葉で言うならば「泥棒なのかお隣さんなのか福の神かも分かんない」相手にどう接していいのか、戸惑うのはある種当然の反応である。泥棒に遭うリスクを負うくらいならば(例えそれが福の神になる可能性があるとしても)距離を取るという人も少なくないだろう。

私たちが生きている上で感じる「不安」や「心配」も、大抵は「分からないことに起因している。この先に何が起こるのか、自分の望んだ結果が得られるのか、どのような喜び/悲しみが待ち受けているのか。不安・心配は常に未来に向いており、それは「期待」や「希望」と背中合わせに成り立っている。

「私、行ってみたい。鹿鳴館、行ってみたい」(寿恵子)

華族や異人、洋服、西洋文化……。それらは寿恵子にとって、まさに「分からない」ものであっただろう。しかし、寿恵子は分からないからこそ「知りたい」と思う。出会いたいと願う。それはつまり『里見八犬伝』で描かれている冒険そのものだ。

「鹿鳴館、見たことない世界だもの。きっと面白い」(寿恵子)

未知のもの=知らないからこそ、分からないからこそ心惹かれる。それは、万太郎がまだ見ぬ植物を探し続ける姿にも重なるのではないか。
万太郎は寿恵子との会話をきっかけに、自身が植物の名前を追い求めるようになったきっかけを思い起こす。植物の名前を「知りたい」と強く願ったこと、その原体験が今も万太郎を突き動かしている。学びの原動力とは「分からない」ことなのだ。

未知のものと出会い、その相手・対象を知ることで、自分の世界が広がっていく。
万太郎が植物を学び、寿恵子がボタンを描きたいと願い、菓子職人・文太(演:池内万作)の技術とアイデア力が引き出されたことで、美しい和菓子が新たに生まれる。万太郎を警戒していた植物学教室の2年生コンビ(波多野・藤丸)も、万太郎の植物愛を肌で感じ、その存在を受け入れ刺激を感じている。

「分からない」ものは怖い。自分に幸せをもたらしてくれるものか、はたまた脅威となるものなのか、未知のものだから。それでも勇気を出して一歩踏み出すのは、その新しい出会いを通してしか見られない景色があるからではないか。未知との遭遇を通し、初めて感じられる喜びがあるからではないか。

「狭い村を飛び出して、見たことない世界に旅立つ」(寿恵子)

寿恵子の冒険が、万太郎の道なき道が、どのような旅路を辿っていくのか。

分からないからこそ、楽しみだ。


ひなた

kikusuku編集長のひなたです。演劇とテレビドラマと甘いものと寝ることが好き。立教大学大学院 現代心理学研究科・映像身体学専攻・博士前期課程修了。

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