ドラマオタク5人が2023冬ドラマを振り返る!座談会その❷『100よか』『ブラッシュアップライフ』『夕暮れに、手をつなぐ』『リエゾンーこどものこころ診療所ー』
2023年・冬ドラマの放送が終了!ドラマ好きのあなたは、どんなドラマにハマった冬になりましたか?
この座談会では、ドラマオタク5人による「2023冬ドラマ振り返り座談会」をお届け!冬ドラマロスのあなたも、なんとなく冬ドラマをおさらいしておきたいあなたも、5人と一緒に冬ドラマを振り返っていきませんか?
座談会その❶はこちらからお読みいただけます
その❷では『100万回言えばよかった』『ブラッシュアップライフ』『夕暮れに、手をつなぐ』『リエゾンーこどものこころ診療所ー』についてトークしています!
《座談会メンバーはこの5名‼》
小学生の頃から、深夜枠のドラマまで一通り情報を把握するのが習慣。未視聴ドラマの録画が永遠に溜まっています。
新ドラマの初回放送日を一気に調べてスケジュール帳に書き込む時の幸せは、何物にも代え難い!基本的にリアタイしたい派なので、生活はドラマの放送時間を軸にまわっています。
昔からテレビっ子でしたが、ドラマ好き具合には年々拍車がかかっています。最近は専らTverで後追い派。涙脆いので、ティッシュ片手にドラマを見ることも少なくないです。
ドラマが生きがい。可能な限りリアタイ派。ドラマが発表されたらまず脚本と演出をチェックします!野木脚本、坂元脚本、大石脚本、特に大好きです!
ドラマに夢中になるあまり、夢の中で物語の続きを観た経験は数知れず。近頃は、放映中のTVドラマの視聴と並行して、過去のドラマを一気見することにハマっています。
まだまだ語ります!『100万回言えばよかった』(TBS/金22:00)
ひなた:他に語り足りないことないですか?
こんぶ:私もまだまだ読み解けてはいないんだけど、劇中でも出てくる『100万回生きた猫』に沿って物語を解釈していくのも面白そう!最終回で言ってた、“100万回生きた猫”にとっての“白い猫”のように、悠依と直木がお互いをかけがえのない存在として見ていることを表すために絵本っていうモチーフを用いたのは興味深いよね。
ひなた:ドラマのファンタジーな設定をどう成り立たせるかって面でも、なんかその絵本の寓話的な感じ・童話っぽさは相性良い部分があるのかも。
菅藤:全体的にバランスが不思議で面白かったなと思う。描かれる事件としては暗がりのある部分に踏み込んでいきつつ、そういう寓話的なものもある、そのバランスがね。……荒川良々怖すぎたよね!?あんなに怖くグミ食べれる人いる!?
一同:(笑)
菅藤:本当に、このバランスはなかなかない、この作品固有のものだったなと思う!
友情にバカリズムに感謝!『ブラッシュアップライフ』(日テレ/22:30)
ふか:このドラマに関してはまず「作ってくれてありがとう、バカリズム」って気持ちが(笑)
一同:(頷きながら)ほんとにそう!
ふか:日曜の夜っていう、人によっては一番憂鬱になるような時間帯に、あれだけコメディかつノスタルジックなの、すごく楽しくて。このドラマを観る度に「私は1週間頑張ってきたんだよな」って思えた。
ひなた:うんうん。
ふか:シール交換とかプロフィール交換とか「懐かしい〜!」みたいな(笑)。熊谷ビューティ学院ポーズとかも地元特有のノリというか、すごい共感できる(笑)。
菅藤:題材としては多分深く考えようと思えば考えられるんだと思う。「徳って何?」とか「人生って何?」とか。すごく深く潜っていこうと思えばいけるんだけど、そこにいくまでもなく、まずはくだらなくて愛しい生活そのものを全身で浴びることができて、でもその奥深さの気配をキャッチしていて。 だからこそあーちん(演:安藤サクラ)が友達三人を亡くす時には今まで感じてた重さの気配が具体化してズシンとくる!それががとっても良かったなあ。本当に、バカリズムは、何者なんだ!っていう。
一同:うんうん(笑)
菅藤:「小学生ながらにちょっと気を遣う接待シール交換」とか、なんで知ってんの!?みたいな(笑)。そんなことの連続だったし、最終話の浅野忠信には声出して笑っちゃった!
こんぶ:一瞬だけ登場する役に豪華なキャストを使うな〜!って思ったし、それが絶妙に面白いんだよね(笑)。あと、Twitter見てると、このドラマはドラマ好きが大熱狂してた印象を受けてて。それこそ、もし今私が学生だったら、絶対翌月曜にドラマクラブ作って感想言い合ってたなって思う。プリクラとかも真似てただろうし。
菅藤:うんうんうん。
こんぶ:そういうコメディやノスタルジックな要素に大熱狂しつつ、終盤にかけて、ただ徳を積むために人生繰り返したあーちんが、親友と大勢を救うために生き直すっていう重みのある物語展開があったのも、更に引き込まれた要因だと思う。10話かけて、どんどんどんどんハマっていく感じがすごい楽しかったね。
花村:私は「ドラマなんだけどドラマじゃない」みたいな、どのジャンルにも属さない一つの作品のようだと感じながら観ていて。さっきも話に出てたけど、言ってしまえば人が亡くなっているわけで。すごく重たいテーマにもなりそうなのに、毎回今週はどうなるのかワクワクしながら見ている自分がいました。最後もあんなほっこり終わってくれて。本当に自分が心から大好きで大切って思える人がいたら、それだけって人生すごい楽しいんだろうなって思えた。
ふか:何度も人生をやり直して行き着いた先が、地元の友達といつまでも笑って過ごしていたいっていうのが、それほど最高な人生ないんじゃないかってすごい思っていて、今生きてる私たちも、今この時間を大切にしようと思える感じがあって、私も好きなポイントだった。
菅藤:私はずっと言い続けてることがあるんだけど、さっきも言ったあーちんが友達三人を亡くした後にトンネルの前で佇むシーン、あのシーンが観られて本当に幸せでした……。あのシーンは安藤サクラさんっていう偉大な俳優さんの存在感を正面から食らって、なんだか、日本映画のど真ん中をテレビで観てるぞ私は!って妙に興奮した。佇まいそのものに心がグーッとなりました。ほんとあれをドラマで見れたのが嬉しかったし、お宝だなって思います。
ふか:あとドラマオタクとしては、ドラマAD編でドラマ制作の裏側を知れてすごく嬉しかったし楽しかった!
こんぶ:エンドロールとかめっちゃ見るようになっちゃった(笑)。クレジットは色々考慮してこの順番なんだろうな〜とか。
花村:まさにそれ言おうとしてました(笑)
こんぶ:私たちの日常にも通ずる部分があるから、生きていく上での教えを受けたような気もする。友達の大切さや一緒に過ごす時間の愛おしさもそうだし、さっき言ったエンドロールもそう(笑)。これから何度も思い出すドラマになりそう。
菅藤:ドラマのエンディングが、毎回めちゃめちゃいい意味でぬるっとしてたのもすごい好きで。エンドロールがほんと何でもない時に流れてくるんだよね。何かどんでん返しみたいなものが起こるわけでもないタイミングで「もう終わり?」みたいな。だから今回のドラマは、各話の中盤あたりに大きな転換とか出来事があって、そこを乗り越えた先でヌルヌル生きてる中、ヌルヌルっとエンドロールがある。それが、放送が終わった後も自分の日常に続いていく感じがあって、これは連ドラを見る醍醐味だなと思った。
こんぶ:確か幼稚園のシーンで流れてたような。エンドロール中に「だるまさんが転んだ」してたよね。
菅藤:してたしてた。「来週から新しい人生スタート!」って感じじゃなくて、今週の一番最後から次の人生は始まってて来週はその続きから、みたいなね。その温度の低さ加減がすごい良かった。
こんぶ:まさにバカリズム感だよね。
主演2人の圧倒的美しさ!『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS/火22:00)
菅藤:『夕暮れに、手をつなぐ』も好きだった~。最初は言葉の使い方とか諸々にちょっとヒヤヒヤして観始めたんだけど、どんどん好きになって。画も美しいし、広瀬すずはもう貫禄がすごい。満島ひかりと広瀬すず、この二人は私の中の女神様なので!(笑)
花村:題名にある通り結構夕暮れのシーンが多くて、それが本当に綺麗。夕暮れ時に二人が寝っ転がって手を繋ぐシーンがあったんだけど、タイトルに込められた想いや作品の良さがギュッと詰まったシーンだなぁと感じた。 「愛してる」って言葉に出したり、キスやハグをしたりするよりもずっと官能的で魅力的だった。本当に画が綺麗だし、そこから醸し出されるドラマ全体の雰囲気が美しいドラマだったなって思います。
こんぶ:お仕事の方は上手くいきすぎな展開だなと思ったけど、空豆(演:広瀬すず)と音(演:永瀬廉)の関係性の描き方は凄く好きだった。お互い好きで、その思いもほぼほぼ通じてるようなものなのに、でもなかなか言葉にできない、みたいな。その歯がゆい感じがリアルにありそうですごくいい塩梅だなって思う。
菅藤:送信取り消しの使い方が上手すぎるよね。観ててクッション投げちゃったもん、私。
一同:(笑)
菅藤:絶対どっちも取り消してるの分かってたけど「消さないで、まだ消さないで」ってなんか祈っちゃった。スマホとか携帯ができてから、やっぱり昔のドラマに比べると物理的すれ違いの作り方って難しくなったんだろうなとは思っていたんだけど、上手いことそのテクノロジーを使ってすれ違いを生んだっていうのが良かったよね。しかも送信取り消しって自分も覚えがあったりするじゃん。それが急に真に迫ってきて、グッとなったな。
花村:私、セイラ(演:田辺桃子)も結構好きだな。嫌いになれないというか、見てるとすごい切ない気持ちになってきて。
こんぶ:自分でも空豆への想いが通じないことを理解した上で接している、あの佇まいが切なかった。セイラは人一倍寄り添ってくれる人を求めてて、あの子の存在もリアルだなと思った。ちょっとでも救われてほしいなって願ってしまうようなキャラクターだったよね。
丁寧で繊細、誠実に描き切った『リエゾンーこどものこころ診療所ー』(テレ朝/23:15)
ひなた:最初ドラマのテーマを見て、題材はすごく興味あるけど、すごく繊細なテーマだからどうなるだろうと思って。期待半分・怖さ半分みたいな感じで見始めたら、すごく丁寧に作ってあって。その丁寧さが最後まで一貫してたことがすごく嬉しかったし安心したな。題材と真摯に向き合ってる感じに心地良さを感じながら、内容には「しんどいよ〜泣」ってなってた。
菅藤:特に自分にグーッと迫ってきたのは、遠野先生(演:松本穂香)が発達障害をカミングアウトする場面。自分のでこぼこをカミングアウトすることに対して伴う困難をすごく丁寧に描いてたと思う。私も最初は「そうじゃないんだよ」とか思わないか心配だったんだけど、真摯さがそこにあったというか。すごいなあと思ったし、原作も読んでみたいな。
花村:私はドラマの主軸となる発達障害とか児童精神科医に関する知識があまりなかったから、お芝居とはいえ物語を見ることによってすごく勉強になったな。
ひなた:金曜深夜の時間帯も良かったな。重たさが染みる。人によってはしんどすぎるなあって感じるかもしれないけど、私的には心地よい重みがあるなあと。
菅藤:ベースにある目線が優しいんだよね。
ひなた:そうそう。ほんと、よくこの緻密さでつくれたなあ。
菅藤:奇をてらわずにこんなにまっすぐ作れるの、実は珍しい気がして。特殊能力みたいな感じでちょっと盛り込んじゃうパターンとかありがちだよね。そうじゃなくて、ほんと現実を真摯に描くし、誇張しないし足りないところもない。それが当事者の方々から見て実際どうかっていうのはまた私が言えるものではないと思うのだけど、すごく真摯に作ってるんだってことは伝わってきたよね。
ひなた:自分の実体験にはないことでも、感情が丁寧に描かれてるから観ながら入っていきやすかったとすごく思う。あとは子どもの発達障害とか色々なテーマがある中、役者さんたたちが本当にみんなすごすぎた!大人キャストはもちろん、子役さんたちにもう感服でした。
(その❸「エンタメとしての盛り上がり!大病院占拠」「法律とまっすぐ向き合った!女神の教室 」他に続く〉
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