ついに神木隆之介×浜辺美波が…!朝ドラ『らんまん』感想レビュー第11週:「心のままに」生きること
第11週『ユウガオ』(6月12日~16日放送)
ときめきポイントde振り返る1週間!
◆夕顔のお姫さま!!!!!ついに万太郎(演:神木隆之介)と寿恵子(演:浜辺美波)が結ばれました!!!寿恵子の方からハグするのが胸アツ!!!
◆植物学雑誌も完成!牛鍋屋さんで植物学教室のメンバーと印刷所の面々が打ち解けていく様子が愛おしい!
◆徳永助教授(演:田中哲司)の人間味が溢れ出た一週間!今までは権威主義の「嫌なヤツ」でしたが、日本文学を愛し、人情があり、良くも悪くも「古き日本」を大切にしている人だったことが鮮やかに描かれます。
◆徳永助教授かわいいポイント:「問題。アサガオ、ヒルガオ、ユウガオ、一つだけ異なるのは ど……ど〜れだ?」と突然のクイズ。万太郎と和歌を通して通い合う姿。窓からユウガオを愛おしそうに眺める笑顔。
◆もう一人、この方も最高でした!大畑印刷所の娘、佳代(演:田村芽実)!洋装の万太郎にすぐ恋する佳代ちゃん、自分に結婚を申し込まれたと早とちりする佳代ちゃん、寿恵子の顔を拝みに行って思わずうっとりしてしまう佳代ちゃん、おまんじゅうをうっかり食べ過ぎる佳代ちゃん……。
◆印刷所の奥様、イチさん(演:鶴田真由)のちゃきちゃき具合も、義平(演:奥田瑛二)と二人で仲人を務めるために浮き足立つ様子も、本当に微笑ましかった!大畑一家のテンポ感・間の取り方が完璧でした……!
◆夜明けと共に白梅堂へ走る義平さん、「時が来ましたか」と熱烈に歓迎する文太さん(演:池内 万作)。万太郎と寿恵子がいないところでも、二人の幸せを願い、動いてくれる人たちがいること。
◆クララ先生(演:アナンダ・ジェイコブズ)と寿恵子の師弟関係が本当に素敵。練り切り、二人で美味しく食べたのかな……。
◆高藤の妻・弥江(演:梅舟惟永)が高藤に放った一言にスカッと!!!寿恵子を見る表情がみるみる変わっていく様子、クララ先生と肩を並べて出ていく姿に胸が熱くなりました。
第11週レビュー 〜心のままに生きる〜
真っ白なドレスに身を包んだ寿恵子。それはまるでウェディングドレスのよう。日本家屋が立ち並ぶ町並みの中、彼女はずっと想い続けていた人の元へと駆け出して行く。
「Live for love. 心のままに」(クララ)
寿恵子にダンスを教えるクララ先生は、英語話者である。寿恵子とクララ先生の間には言語の壁が横たわっているが、二人は次第に心を通じ合わせていく。人と人が繋がるために、真に必要なものとは何であろうか。
寿恵子は万太郎にプレゼントされた薔薇の絵をクララ先生に見せる。それは以前、万太郎と寿恵子が共に聴いたクララの歌をモチーフにした絵であった。ただ薔薇の美しさを歌っただけではない、愛を歌った曲を。
万太郎の絵を見て「これは私の薔薇だ」と感じるクララ。
万太郎を思い浮かべた寿恵子の表情を、ダンスを観て、寿恵子に愛する存在がいると気が付くクララ。
人が誰かを大切に想う気持ちに、国境はない。
「Live for love」=愛のために生きるということは、自分が心から愛するものを大切に大切に抱きしめて生きるということだ。
クララの愛する人はもうこの世にいないが、彼女は今も彼を愛し続けている。愛する彼の志を継いで、一人日本にやってきた。
「今、いない人。でも、ここにいる。」(クララ)
例えもう逢うことが叶わなくとも、そばにいることができなくても、愛はずっと「ここに」あるのだ。
万太郎は植物学者として寿恵子を迎えに行くため、植物学会誌の創刊に注力する。その間、寿恵子には会わないという選択にヤキモキした視聴者もいたのではないか。しかし、万太郎の心の中に寿恵子は「いた」のだろう。
「万さん見てたら人生って僕が思ってるよりずっと濃くて。たくさんのものが入る器なんだなって思えて。その器をパンパンにしていくことが生きるってことなのかなって」(波多野)
万太郎が植物学に邁進する姿は、周りの人々にも刺激を与えていく。万太郎は自身の「心のままに」植物を愛し、植物のことを知りたいと願い、植物のことを広めたいと夢見ている。一直線にその夢を追う万太郎だからこそ、寿恵子は心惹かれたのだろう。
そして、万太郎は自身の植物への気持ちを「恋」だと表現したことがあったが、彼が植物の他に初めて強く心惹かれた存在こそ、寿恵子である。
心のままに植物学の道を進む万太郎と、心のままに万太郎の胸へ飛び込んだ寿恵子。これから先二人が歩んでゆく人生の器は、どれほど大きく、広く、濃いものであろうか。
その器はまだ、余白に満ち溢れている。
「まあまあじゃな」(万太郎)
「(中略)……はい。あなたがあなたを認められる絵を」(竹雄)
kikusuku編集長のひなたです。演劇とテレビドラマと甘いものと寝ることが好き。立教大学大学院 現代心理学研究科・映像身体学専攻・博士前期課程修了。