神木隆之介主演朝ドラ『らんまん』感想レビュー:万太郎「100払おう!」発言の真意とは?

第6週『ドクダミ』(5月8日~12日放送)

ときめきポイントde振り返る1週間!

◆東京編開幕!りゅうじゅん、いや万太郎(演:神木隆之介)と竹雄(演:志尊淳)の「相棒」っぷりが愛おしい!!!「相棒」と呼ばれた竹雄の嬉しそうな輝く表情が忘れられません!「井上」という竹雄の苗字が明かされたのもアツいですね……!

佑一郎くん(演:中村蒼)、大人になったね〜!!!色々と苦労してきただろうに、真っ直ぐに成長していて何だか嬉しくなりました。ストレートに万太郎への好感を言葉にしていて「素直になったね……!」と謎の感動!

大東駿介(倉木役)〜〜〜〜!色気〜〜〜〜〜!やさぐれてるのに憎めね〜〜〜〜!

「見くびりな!!」「返しや!」
タキ(演:松坂慶子)を彷彿とさせるような万太郎の一喝、痺れました。普段のキラキラした笑顔とのギャップにドキッとしたの、私だけではないはず……!

個性豊かな十徳長屋の皆さん!「冷たい水」リレーが微笑ましかった!貧しくとも明るく朗らかに生活する住民たちは、万太郎たちの未来も明るく照らしてくれそうです。万太郎にお金がないことを知っても、ドクダミ抜き・干しを手伝ってくれるのが優しいですよね。

◆万太郎の手紙を一人で読みたかったタキさん、可愛い……

「ズギャン!!!!!」

◆「ズギャン」な万太郎をニヤニヤ見守る竹雄、植物語りをニコニコ聞く寿恵子(演:浜辺美波)ワルツを踊ってしまう万太郎……(好き)

寿恵子さん、まさかの『里見八犬伝』オタクだった〜〜〜〜〜!万太郎とはオタク同士、通じ合えるところがあるかもしれませんね。朗らかな笑顔が眩しくて本当に素敵!!

第6週レビュー 〜万太郎の「100払おう!」から考えるお金の価値〜

今週から東京編開幕!前回までと趣向を変え、第6週レビューではコラムをお届けします。

新たな出会いの多かった第6週ですが、印象的だった事の一つは万太郎のお金の使い方!盗人・倉木が要求した「30」「100払おう!」と返したことに驚いた方も少なくないのでは?

他のシーンでも、牛鍋を食べたり、白梅堂のお菓子を全て買ったり、良く言えば気前が良く、見方を変えれば浪費家な万太郎竹雄に「峰屋は若の財布じゃない」と復唱させられていたのも納得でした(笑)

しかしそんな竹雄も実は「今回だけだ」と言って牛鍋を食べたり、お菓子を買う時に躊躇しなかったり、所謂「出す時は出す」精神を感じる描写が見られます。

そんな万太郎と竹雄の金銭感覚について、少しヒントになりそうなのが『かみきこうち』(NHK出版)という、神木隆之介さんが高知をナビゲートしている本。「神木+紀行+高知」をコンセプトにした本で『らんまん』の放送に先駆けて発売されました。

本書に掲載されている、神木さんとデザイナー・梅原真さんの対談の中で、次のような例え話が紹介されています。(テレビで本書が紹介されていた時にもこのお話が出ていたので、本のネタバレにはならないと考え引用します。)

江戸時代、四国。天から100両が降ってきたとします。

徳島は「蔵で全額貯金」
香川は「半額貯金、もう半分は投資で儲ける」
愛媛は「全額投資して儲けよう」

では高知は……?

高知「蔵からもう100両出して、200両で飲もう!」

この例え話に衝撃を受けたのは、きっと私だけではないと思います。

県民性というものがどれほど存在するのかは定かではありませんし、きっと高知の方で全額貯金に回す方もいれば、徳島の方で貯金を降ろして大盤振る舞いする方もいるでしょう。

万太郎と竹雄の場合、何より「これまでお金には苦労してこなかった」という環境が彼らの金銭感覚に大きく影響しているのは間違いないと考えられます。しかし、この例え話を聞くと、二人のおおらかなお金の使い方に合点が行きます。

そもそも「お金」とは何でしょうか。

「こんな紙切れ一枚……」なんて言い回しを時々耳にすることもありますが、私たちにとって大切なのは紙幣や硬貨そのものではなく、紙幣や硬貨が持っている「金銭としての価値」ですよね。

つまり、お金を支払うとは「私はこの商品・サービス等にこれだけの価値を感じているよ」と示すことなのではないでしょうか。

そう考えると、万太郎にとって、盗まれた植物標本は100円・それ以上の値打ちを持っていることが分かります。十徳長屋がふた部屋で1円の家賃だったことを考えると、当時の100円はかなりの大金ですよね。
自らの足で集めた標本にプライスレスな価値を確信し、誇りに思っているからこその「100払おう!」という言葉。標本を確実に綺麗な状態で取り戻すため、大きく出たのだと思います。

万太郎のモデルとなっている牧野富太郎さんも、植物採取のためにはお金を惜しまない「浪費家」として有名だったそうです。しかし、それは本当に「浪費」だったのでしょうか?

この先、第7週以降も万太郎の破天荒なお金の使い方に出くわすことがあるかもしれません。その度に万太郎は私たちに、自分にとって「お金とは何か」「何に価値を感じるのか」を見つめ直す機会を与えてくれるのかもしれませんね。

(余談ですが、神木隆之介さんは6月公開の主演映画『大名倒産』で莫大な借金を押し付けられ必死に節約する大名を演じるそうです。まるで正反対な設定!)

お金は、この社会で生活するために必要不可欠で、経済活動は現代の社会と切っても切り離せないものです。研究にはお金が必要だと言っても、誰かがお金を稼がないことには生活することも「好き」を究めることもできません。

万太郎たちが今後どうやって「お金」という大問題と付き合っていくのかにも注目しながら、引き続き彼らの挑戦を見守りたいと思います!


ひなた

kikusuku編集長のひなたです。演劇とテレビドラマと甘いものと寝ることが好き。立教大学大学院 現代心理学研究科・映像身体学専攻・博士前期課程修了。

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