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靴底と指紋:ともに生きる

 近年稀に見る酷い靴擦れをした。よりによって両足の裏、一歩踏み出すごとに呻き声を出しながら家の中をそろりそろりと移動するしかなくて、なぜあの日あの靴を履いてしまったんだとしょんぼりする。新品でもなんでもない、昨年も一昨年 […]

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異国情緒、私の風景

 この皮膚のどこを切り出したら、あなたに私のことを紹介できるだろうか。  私に宿る数多の手触り、境目のない体温からまずどれかひとつを選び取って初対面のあなたに手渡さなければならない、その瞬間にいつまで経っても緊張する。緩 […]

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